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小説家の生存戦略

小説家として幸せになる過程。本屋大賞くれ。

僕が持っている小説家のビジョン

前の記事でビジョンに触れたので、そのビジョンについて細かく書いておく。

何言ってんだこいつと思うことが多いし、そりゃお前には無理だろうと思う人も多いかもしれない。

でも僕はそう思っていない。そういう理由も含めて書いていく。

 

 

 

小説家だけで食べていくという考えは古い

間違えないでもらいたいのは、別に小説家だけで食べていくことが不可能と言っているわけではない。

 

これからも、別に小説家だけで食べていけるだろう。

もちろん小説家だけで食べられる総数は減るかもしれないが、小説家を目指してがんばっている皆や、小説家としてがんばっている皆であれば、あまりそういうことにはならない。

ちゃんと未来をみて戦略的に動いていれば、ということだ。

 

 

むしろ、どうして食べていけるの?と思う人がいるかもしれない。

たしかに出版不況だが、小説がなくなることはない。

なぜかというと、コストが低いからだ。

物語を最速で手間がかからず作れるものは小説だ。これ以外には絶対にない。

だからなくなることはない。

 

 

でも、あり方は変わる。

今も現にそうなっているが、

小説はこれから、原作としての立ち位置になる。

小説を読むのはスコッパーだけで、あとは映像化した時に続きが気になる人やファンになって人が買うという感じだろう。

でも、それで十分だ。

小説という媒体は間違いなく生き残れる。

 

ではなぜ、小説家だけで食べていくと考えるのが古いかと言うと、小説家がたくさんいるからだ。

 

その中で一歩抜きん出るために、小説の実力を上げるため、皆しのぎを削っている。

 

 

そしてこの構造が古い、と僕が言っているものだ。

 

 

 

なぜ古いのか

今、ほとんどの小説家がやっているのは、自分の小説がより売れるために技巧を凝らすことだ。

確かに正しい。

より良い小説は、より売れる確率が高くなる。

そしてファンが増えていき、そのうち中身が白紙のものを出しても10万部くらい売れることになるだろう。

 

でもそれって、めっちゃ大変だし、ごく一部の人しかできない。

 

それはそれでいいものだし、必要なのだが、今の時代として実は少し合っていないと思っている。

 

本を売るためには、実力をつける以外に、実は方法がある。

 

 

 

新しい方法

実力をつけなくていい、というと語弊がある。

もちろんある程度の実力は必要だ。

 

80くらい。

でも100は必要ない、そういうことだ。

 

この本、どうしてこんなに売れてるんだろう、と思う本があると思う。

多くの場合は、自分の感性がずれていたり、世の中の需要を見通せていないだけだが、もう一つだけ理由がある。

 

芸能人が書いた本だ。

 

これは売れる。

なぜかというと、芸能人だからだ。

個人がブランディングされているから。

 

僕が見ているビジョンは、これと同じものだ。

中には、「小説の実力じゃないのに売れやがって」と思う人もいるかもしれない。

気持ちは分かるが、その考えは間違っている。

その小説をほしがる人が多いということは、それだけ必要とされているのだ。経済を回し、幸福総数を高めている。

 

もはや、小説がこれだけ溢れている中で、小説の実力だけで勝負するのは、すもうレスラーにタックルして倒そうとしているのと大して変わらないと思っている。

もちろんそうやって倒そうとすることは大事だし、続けなくてはならない。

でも同時に、タックルの方法を見直す必要だってあるだろう。

 

 

ブランディング

これが僕のビジョンの答えだ。

これからは作家をブランディングしていく時代だ。

 

読者は表紙を見て買うのではなく、作者名を見て買うようになる。

 

ネットが発達し、個人というのが前に出てくるようになった。

この動きはこれからもっと加速していくだろう。

社会的より、個人的になっていく。

 

個人的というのはどういうことか。

個人というのは色々な側面を持っている。

数学が得意。TKGが好き。筋トレが好き。アイドルが好き。

そういった複数の要素を掛け合わせたのが個人だ。

 

そしてそれこそが差別化要素だ。

 

つまり僕が言っているのは、

 

小説80×別のもの80×別のもの80

 

をやろうということだ。

そうすると、差別化された人材になり、自分の価値を高めてくれる。

それぞれがシナジーを生んで、全てが売れるようになっていく。

 

こういうビジョンを持っている。

 

僕は今、小説65くらいだと思っている。(60は合格ライン、つまり新人賞をとれるライン)

まずはこれを80にし、続けていく。

同じことをやると、慣れて以前より効率良くできるようになる。

そうして空いた時間を、別の要素を極めるのに使う。

他の80を生み出す。

 

これを使っているのが、米津さんだ。

彼は作詞作曲、イラスト、動画編集、歌、何でもできる。

それぞれがシナジーしている。

 

ジャニーズとかもそうだ。

イケメン、歌、ダンスがシナジーしている。

 

芸能人もそうだろう。

面白いだけではなく、グルメに詳しかったり、野球に詳しかったり。

 

より個人的な方に持って行き、自分としてのオリジナリティを出していく。

これからはそういう時代だと思っている。

 

 

よく、餅は餅屋とか、1つのことをずっと続けて極める職人みたいなものを評価する風潮があるが、そういう時代はもう古いと思う。

六本木の人気寿司店の店長がyoutubeで握り方を学ぶ時代なのだから。

 

今はネットを使えば、面白い小説の作り方も、良い曲の作り方だって載っている。情報に価値はほとんどない。80まで行くのにあまり苦労はしない。

 

 

だから僕は小説を80にしつつ、次の80の準備をしていたりする。

これが僕のビジョンだ。

 

実のところ、このビジョンを理解しなくても全然問題ない。

小説100が自分の幸せなんです、という人はそうすべきだと思うし。

僕は複数80を持って自分をブランディングしてサロンとか開いてファンとわいわいすると楽しいと思っているだけに過ぎない。

 

そんな感じ。